コンサルティングサービスは、ホテルや観光業界の経営改善や新規開業、海外進出を支援してくれる存在です。料金はサービス内容や施設規模によって大きく異なり、事前の理解が成功のカギを握ります。本記事では、コンサルティングの主要メニューと費用目安、料金が変動する要因、高額でも価値ある支援の内容について詳しく解説します。
サービス内容で変わる！主要コンサルメニューの費用目安
ホテル・旅行業界におけるコンサルティングサービスは、依頼の目的や範囲に応じてさまざまな形態があります。それぞれのサービスごとに料金相場も大きく異なります。
代表的な4つのサービスについて、費用感と内容を比較してみましょう。初回相談やスポット対応と呼ばれる単発のサービスは、経営課題のヒアリングやマーケティング戦略のアドバイスを1時間程度行う形式です。
料金相場は1時間あたり1万円～5万円と比較的リーズナブルで、小規模な宿泊施設や社内である程度の検討ができている企業に適しています。「まず試してみたい」という場合にも最適なスタートです。
次に、調査・分析レポートの作成があります。宿泊施設や観光施設の現状を調査し、課題点を明らかにして改善策を提案するレポート型のサービスです。
相場は10万円～50万円程度で、比較的短期間で完結する案件が多いのが特徴です。新しい戦略立案の前段階として、利用する施設も少なくありません。
続いて、継続的な経営・集客支援コンサルティングは、月に1～2回の訪問とオンラインサポートを組み合わせて提供されます。売上データや予約数などのKPIを分析しながら、販促活動や価格戦略の提案を行う形式です。
月額の相場は、小規模施設で10万円～30万円程度、中規模から大規模チェーンでは50万円～100万円以上と幅があります。契約期間は一般的に3か月～1年が多く、長期的なパートナーシップとして活用されるケースが多いです。
さらに規模が大きく、より複雑な支援が求められるのが、開業支援やリブランド支援です。新規ホテルや旅館の立ち上げ、既存施設のブランド再構築を支援するこのタイプは、立地調査や市場分析、OTA（オンライン旅行代理店）対策など、さまざまな工程を含みます。
費用は数百万円単位になることが一般的で、内容によっては1000万円以上となる場合もあります。
最後に、さらに高額な費用がかかる傾向にあるのが、海外進出支援やインバウンド対策のコンサルティングです。海外市場の調査や多言語対応、現地パートナーとの提携支援など、多岐にわたるタスクが含まれるため、相場は200万円～1000万円以上と非常に幅広くなっています。
施設規模と支援範囲でどう変わる？料金に差が出るポイント
同じサービスであっても、料金には大きな開きがあるケースがしばしばあります。違いを生む主な要因は、施設の規模と支援範囲の2点に集約されているのです。
まず、施設の規模についてですが、当然ながら提供するサービスのボリュームが変わってきます。たとえば、客室数10室未満の民泊と、数百室を擁する都市型ホテルでは、必要となる調査量やマーケティング戦略の難易度が大きく異なります。
小規模施設であれば、比較的シンプルな提案でも効果が出やすく、コストも抑えられます。一方、大規模施設では、細分化されたターゲット層ごとの戦略や複数の販売チャネルを考慮した対応が必要となり、それにともない費用も高くなるのが一般的です。
次に、支援範囲の広さも価格に大きく影響します。コンサルタントが戦略立案のみを行う場合と、実行支援まで含めて提供する場合では、関与する時間や工数がまったく異なります。
戦略だけであれば比較的低価格で済みますが、実際に社内会議に出席したり、現場での研修を行ったりするような場合は、料金も上がります。
また、契約期間も重要な要素です。単発のスポット相談であれば安価に抑えられますが、6か月～1年の継続契約では、支援内容の継続性や進捗管理まで求められるため、料金も高額になります。
長期契約を前提とした割引もありますが、それでも短期と比べると負担は大きくなりがちです。さらに、コンサルタントの実績や所属先によっても価格は異なります。
大手コンサルティング会社に所属している場合、ブランド力や過去の実績から高額な料金設定となることが多く、逆に個人や小規模な事務所であれば柔軟な料金対応が可能な場合もあります。
高額でも納得？リブランド・海外展開コンサルの価値とは
数百万円から数千万円におよぶ高額なコンサルティングサービスに対して「本当にその価値があるのか？」と疑問をもつ方も少なくありません。ですが、開業支援やリブランド、海外進出といったプロジェクト型の支援は、企業の将来を左右する重要な投資であり、その成果によっては大きな利益を生む可能性を秘めています。
たとえば、リブランド支援では、単にロゴや名称を変更するだけではなく、顧客ターゲットの再設定、SNSやOTAでの発信強化、スタッフの再教育など、施設全体の価値向上を目的とした包括的な支援が行われます。これにより、宿泊単価の向上やリピーター獲得といった明確な成果が期待できるのです。
また、海外進出支援やインバウンド強化のコンサルティングでは、言語や文化の壁を越えてビジネスを展開するための支援が中心となります。海外市場の動向分析、現地でのプロモーション戦略の策定、多言語対応の整備、現地業者との連携支援など、単独では実現困難な領域をサポートします。
結果として、海外からの集客力が高まり、売上が大幅に増加するケースも多々あります。こうした高額サービスを依頼する際に重要なのは、明確な目的とゴールをもつことです。
「どこを改善したいのか」「なにを達成したいのか」が明確であるほど、適切なコンサルタント選びがしやすくなり、投資対効果の高い支援が受けられる可能性が高まります。
まとめ
ホテル・観光業向けのコンサルティングは、サービスの内容や施設の規模、依頼の範囲によって費用が大きく変動します。スポット相談や短期支援から始めて、必要に応じて長期契約やプロジェクト型支援へとステップアップするのが賢い方法です。高額なコンサルも、明確な目的と成果があれば十分に価値のある投資となり得ます。費用対効果を意識しながら、自社に最適な支援を見極めていきましょう。補助金の活用や段階的な導入など、コストを抑える工夫も忘れずに取り入れることが、成功への近道です。
株式会社コネクター・ジャパン（ホテルラボ） 
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