OTAとは?ホテル・旅館が知っておくべき仕組みと活用法!

公開日:2025/10/07
OTAとは?

近年、ホテルや旅館の集客に欠かせない存在となった「OTA(Online Travel Agent)」。Booking.comや楽天トラベルなど、数多くのOTAを活用することで集客力を高められますが、手数料や競合との価格競争といった課題もあります。この記事では、OTAの基本からホテル運営におけるメリット・デメリット、効果的な活用のポイントまでを解説します。

OTAとは?ホテル業界での意味と役割

OTA(Online Travel Agent)とは、インターネットを通じて宿泊施設や航空券などを販売する「オンライン旅行代理店」のことです。従来の旅行代理店のように店舗を持たず、予約・決済までをすべてウェブ上で完結できるのが特徴です。ホテルや旅館にとっては、自社の集客チャネルの一つとして欠かせない存在になっています。

OTA(オンライン旅行代理店)の主な特徴

OTAの主な特徴として、以下の点が挙げられます。

1. 広範囲な集客力

OTAは世界中に利用者を抱える巨大なプラットフォームです。
例えばBooking.comやExpediaのような大手は、数千万件単位の宿泊施設情報を掲載しており、国内だけでなく海外からの予約を獲得する大きな窓口になります。個人のホテルや旅館が独自に広告を展開しても届かない層に対してもアプローチできる点が、OTA最大の強みです。

2. 多言語・多通貨対応

ほとんどのOTAは英語・中国語・韓国語など多言語表示に対応しており、通貨も現地に合わせて自動換算されます。これにより、施設側が特別な準備をしなくても、自然と海外の旅行者に情報を届けられます。特にインバウンド需要が高まる中、言語や決済の壁を取り払って予約を受け付けられるのは大きな魅力となっています。

3. 比較検索機能

利用者は希望するエリアや予算、設備条件などを入力すると、複数のホテルを一覧で比較検討できます。この「比較のしやすさ」はユーザーにとって非常に便利で、OTAが選ばれる理由のひとつです。ホテル側にとっては、競合施設と並んで表示されることで価格やサービス内容を常に意識せざるを得ない環境となり、健全な競争の中で自社の魅力をどう伝えるかが問われます。

4. レビューシステム

OTAには実際に宿泊したゲストの口コミ・評価が蓄積され、次の利用者にとって重要な判断材料となります。ポジティブなレビューは新規顧客の信頼獲得に直結し、施設のブランディングにも効果的です。一方で、ネガティブなレビューは予約率に影響するため、迅速かつ誠実な対応が求められます。OTAのレビューは「施設の評判を可視化する仕組み」と言えるでしょう。

他のサービスとの違い

OTAと混同されがちなサービスとして、従来型の旅行会社(リアルエージェント)と、近年利用が増えているメタサーチエンジンがあります。それぞれの特徴と、OTAとの違いを整理してみましょう。

旅行会社(リアルエージェント)との違い

従来の旅行会社は、駅前や商業施設内などに店舗を構え、旅行者が直接足を運んで相談・予約を行うスタイルが一般的です。団体旅行や社員旅行、パッケージツアーの販売に強みを持ち、旅行の企画から移動・宿泊・食事までを一括で提案できるのが特徴です。

担当者と対面で相談できるため、複雑な日程やカスタマイズを伴う旅行では大きな安心感を与えます。 一方でOTAは、パソコンやスマートフォンから個人旅行者が気軽に検索・予約できる「オンライン完結型」が基本です。数分で予約が確定し、即座に確認メールが届くスピード感は、リアル旅行会社にはない強みです。

つまり、「対面型でオーダーメイド提案が得意なリアルエージェント」と「即時性・利便性に優れたOTA」という住み分けがされています。

メタサーチエンジンとの違い

トリバゴ(Trivago)やカヤック(KAYAK)、Googleトラベルなどに代表されるメタサーチエンジンは、複数のOTAやホテル公式サイトの料金を一覧で比較できるサービスです。利用者にとっては「どのサイトで予約するのが最もお得か」をひと目で判断できる便利な仕組みですが、予約自体は各OTAやホテル公式サイトに遷移して行われます。

これに対してOTAは、自社プラットフォーム内で「検索 → 予約 → 決済」までをワンストップで完結することができます。つまり、メタサーチは「比較の場」であり、OTAは「実際に予約を成立させる場」と言えるでしょう。

代表的なOTA5社の紹介

楽天トラベル

楽天トラベル

会社名 楽天グループ株式会社
住所 京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス

楽天トラベルは、「ホテルの窓口」としてスタートした、国内最大級のOTAです。楽天グループと合併し、楽天ユーザーが利用しやすいOTAです。

2001年より「楽天トラベル」としてのサイトが開始され、楽天グループで貯めたり使ったりできる「楽天スーパーポイント」が利用できます。楽天市場や楽天カードを利用している顧客にとって嬉しいポイントサービスだと言えるでしょう。

楽天トラベルは、2021年9月時点で登録宿泊施設数が国内40,000軒以上、月の予約数460万泊以上、クチコミ数が約1,180万件と、国内屈指の総合旅行サイトとして成長し続けています。グローバルOTAを目指し、世界中で利用されるOTAへと進化していきます。

じゃらん

じゃらん

会社名 株式会社リクルート
住所 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー

じゃらんは、日本国内最大級のOTAです。株式会社リクルートが運営しています。

20,000軒を超える施設が提供する「宿泊プラン」や「日帰り・デイユースプラン」が用意されており、各旅行会社のパッケージツアー、全国約9万件の観光スポットやイベント情報の掲載のほか、会員のリアルなクチコミ投稿など、旅行全般の情報が多数掲載されているのが特徴です。

多様なサービスを提供している株式会社リクルートが運営しているため、ホットペッパーなどリクルート系ポイントサービスが利用でき、支払いにリクルートポイントを使用することができるという特徴があります。

「じゃらんステージプログラム」という、じゃらん独自の会員制プログラムが魅力です。顧客の会員ステージに合わせて、お得に旅行が楽しめるサービスとなっており、さまざまな割引プランや特典プランが用意されています。

一休.com

一休.com

会社名 株式会社一休
住所 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー10階

一休.comは、2000年に開設された日本のOTAで、2016年にヤフーグループに入りました。

上質な宿などのWeb予約を通して、「特別な時間」を世に増やすことを目指しており、プレミアム感のある高級ホテルや高級旅館を中心的に取り扱うことで、他OTAとの違いをアピールしています。

国内、海外の宿泊施設を予約できるほか、高級レストランやスパ施設の予約も可能です。「一休.comレストラン」では、記念日や誕生日などの特別な日や、接待や会食といったビジネスシーンで利用できる、格式高いレストランを予約できるのが特徴です。

Booking.com

Booking.com

会社名 Booking.com B.V.
住所 Oosterdokskade 163 1011 DLオランダ

Booking.comは、1996年に設立された、オランダが本拠地のOTAです。

一般の住宅やアパートなどを宿泊施設として提供する「バケーションレンタル」の案内に強みを持ち、約590万軒の掲載数を誇ります。そのほかのホテルなどの宿泊施設を合計すると、世界で合わせて2,900万軒以上の施設を掲載しています。

Booking.comは世界各国のユーザーから、3億件以上の口コミが掲載されているなど、大規模なスケールで運用されているのが特徴です。ユーザーが「キャンセル無料」で旅行を楽しめるという大きなメリットがあります。

Booking.comの日本版である「Booking.com Japan」は2009年に設立され、世界最大規模のOTAに加わりました。43言語に対応しており、国内旅行だけでなく、海外の施設にも気軽にアプローチできる体制が整っています。

Expedia

Expedia

会社名 エクスペディアホールディングス株式会社
住所 東京都港区虎ノ門4丁目1番1号神谷町トラストタワー24階

Expediaは、1ヶ月あたりの検索数が10億件以上を誇る、アジアにおいて最も成長しているOTAです。

売上高はオンラインで世界2位、取扱い額は世界1位とされており、世界規模のOTAであることが大きな魅力です。

無料で利用できる、独自の旅行リワードプログラム「One Key」に参加し会員登録すると、会員ステータスに合わせた割引やセールが適用され、顧客がリーズナブルに旅行を楽しめるよう工夫されています。

また、会員ステータスがグレードアップすると、「VIP Access」提携施設で、客室を無料アップグレードできたり、食事やドリンクの割引といった特典を利用できるようになります。Expediaは、魅力的な会員サービスが展開されているのが特徴です。

ホテルに宿泊する旅行者のOTA利用率

一般社団法人日本旅館協会が実施した「令和6年度営業状況等統計調査」によると、OTA経由率は全体平均44.9%に達しています。これは宿泊予約のおよそ2件に1件がOTA経由で行われていることを意味し、もはや主要な予約チャネルの一つとして確固たる地位を築いていることが分かります。

引用元:https://www.ryokan.or.jp/top/news/detail/653

また、数値の推移を見てもその重要性が際立ちます。前年度からは1.6ポイント増加、令和元年度と比較すると実に14.0ポイントも増加しており、中長期的に右肩上がりの傾向にあります。令和4年度には一時的に減少が見られましたが、令和5年度で再び増加に転じたことは、宿泊予約のデジタルシフトが一過性のものではなく、持続的に進展していることを裏付けています。

特に個人旅行者の予約行動において、OTAは不可欠な存在となっており、従来の旅行会社を利用していた層も、スマートフォンやパソコンから数分で予約完了できる利便性に魅力を感じ、オンライン予約へと移行するケースが増えています。さらに、宿泊施設を探す際には「レビュー」「価格比較」「キャンペーン割引」など、OTAならではの機能が重視されるようになり、ユーザー行動の中心にOTAがあるといっても過言ではありません。

この背景には、コロナ禍を経て旅行需要が回復する中でのデジタル化の加速があります。非接触での予約・決済がコロナ禍の生活で当たり前となり、オンライン経由の予約がより一般化しました。その結果、OTAの存在感はますます高まり、ホテルや旅館にとって「OTAを活用しない=集客機会を大きく失う」時代になっているのです。

ホテルがOTAを利用するメリット

1.圧倒的な集客力の確保

OTAの最大のメリットは、個別のホテルや旅館では到底到達できない膨大な顧客基盤にアクセスできる点です。例えば楽天トラベルは1億人を超える会員を抱えており、Booking.comは世界中で毎月数億人の利用者がサイトを訪問しています。

地方の小規模旅館であっても、こうしたプラットフォームに掲載されることで都市部のホテルと同じ土俵に立て、認知度やブランド力に左右されずに集客機会を得られます。

特に新規オープン施設や、立地条件が限られている施設にとっては、OTAが提供する「巨大なショーウィンドウ」に出店すること自体が大きな集客戦略となります。

2.マーケティングコストの削減

OTAは成果報酬型モデルを採用しており、予約が成立した時点で初めて手数料が発生します。テレビCMやWeb広告のように多額の先行投資を行う必要がなく、確実にROI(投資対効果)を測定できる点が大きな魅力です。

さらに、OTA自体が行う大規模なマーケティング活動(検索エンジン広告、SNSプロモーション、ポイントキャンペーンなど)の恩恵を受けられるため、施設側は広告費をかけなくても世界規模の宣伝効果を享受できます。特に限られた予算で運営している中小規模のホテルにとって、この「低リスク・高効率」の特性は非常に心強いものです。

3.予約管理システムの利便性

多くのOTAは高度な予約管理システムを提供しており、在庫管理、料金設定、キャンセル対応を一元的に操作できます。チャネルマネージャーとの連携により、自社サイトや複数のOTAでの在庫や料金を自動的に同期でき、オーバーブッキングや料金表示の不一致といったトラブルを防止可能です。

さらに、24時間自動で予約を受け付けられるため、フロント業務の負担を軽減し、人的コストの削減にも直結します。これにより、少人数運営の宿泊施設でも効率的に集客チャネルを管理できるようになります。

4.インバウンド需要の取り込み

海外からの宿泊予約において、OTAは圧倒的なアドバンテージを持っています。
多言語表示や現地通貨での決済に対応し、さらに各国の旅行者が慣れ親しんだプラットフォームを利用できるため、外国人旅行者にとって予約の心理的ハードルが低くなります。例えば、欧米の旅行者はExpediaやBooking.com、アジア圏の旅行者はAgodaなど、地域ごとに強いOTAが存在するため、ホテル側が独自で海外マーケティングを展開しなくても、各市場に合わせて自然に集客が可能です。特にコロナ禍からの回復が進む現在、インバウンド需要を取り込むためにはOTA活用が不可欠と言えるでしょう。

5.データ分析による経営改善

OTAは予約データや顧客属性、競合施設の価格動向など、宿泊経営に役立つ情報を豊富に提供しています。

例えば「週末は家族利用が多い」「平日はビジネス客が中心」「近隣施設は繁忙期に料金を◯%引き上げている」といった分析結果を活用すれば、効果的なレベニューマネジメントが可能になります。

また、レビュー分析を行えば、顧客満足度を高めるための改善点(清掃・接客・設備など)を把握でき、施設の競争力強化につなげられます。つまりOTAは、単なる予約の仲介だけでなく、経営戦略の判断材料を提供する情報源としての価値も大きいのです。

他の集客施策との連携もできるか

OTA運用だけに強くても、予約は伸び悩むことがあります。理想は、Google広告やSNS広告、SEO対策など、自社サイトを含むデジタル集客全体を設計できる会社。複数媒体の広告施策による相乗効果を狙うことで、単一施策に頼らない、持続可能な集客体制を構築できます。

OTA利用のデメリットと注意点

1. 手数料負担による収益圧迫

OTAの最大のデメリットは、売上に対して10〜20%程度の手数料が発生する点です。特に小規模旅館や利益率の低いビジネスホテルでは、この手数料が大きな負担となり、経営を圧迫します。

例えば、1泊1万円の宿泊プランに対し15%の手数料がかかる場合、施設側に入るのは実質8,500円にとどまります。稼働率が高いほど手数料総額も膨らみ、「売上は増えても利益が残らない」という状況に陥りやすいのです。

回避策としては、自社公式サイトからの直接予約比率を高めることが有効です。ベストレート保証を掲げたり、直接予約限定の特典(ドリンクサービス、レイトチェックアウト、館内利用券など)を用意することで、OTAを経由せずに予約を獲得しやすくなります。

2. 価格競争の激化

OTA上では同一エリア・同一条件の宿泊施設が並列で表示されるため、ユーザーはどうしても「価格」で比較しがちです。その結果、価格の透明性が高まる一方で、施設側は値下げ圧力にさらされ、利益率の低下を招きやすくなります。特に「最安値保証」を設けているOTAでは、他社より高い料金設定を維持するのが難しく、安売り競争に巻き込まれるリスクが大きくなります。

回避策は、価格以外の競争要素を強化することです。例えば「地域ならではの体験付き宿泊プラン」や「料理長特製の限定メニュー」「記念日向けのサプライズ演出」など、施設独自の付加価値を打ち出せば、単純な価格比較から抜け出して差別化できます。

3. 顧客情報の制限とリピーター獲得の困難

OTA経由の予約では、宿泊者の詳細な連絡先や嗜好データが制限されることが多く、ホテルと顧客の直接的な関係構築が難しくなります。そのため、メールマガジンや会員制度を通じたマーケティングが行いにくく、長期的にリピーターへ育てる機会を逃してしまうリスクがあります。

回避策としては、チェックイン時に自社の会員登録を促したり、滞在中の接客・サービスを通じて顧客満足度を高め「ファン化」することが大切です。さらに、SNSを活用して滞在後も情報発信を継続することで、OTA経由の顧客を将来的に自社予約へ誘導できます。

4. レビュー依存によるリスク

OTA上での宿泊者レビューは、次の予約に直結する重要な指標です。高評価は集客に直結しますが、低評価が続くと検索順位が下がったり、新規予約が減少する可能性があります。さらに、一部の悪意あるレビューや競合による不正な評価に頭を悩ませるケースも少なくありません。

回避策は、日常的なサービス品質の向上と、迅速かつ誠実なクレーム対応です。レビューへの返信は放置せず、低評価にも丁寧に返答することで、第三者の閲覧者に「誠実な施設」という印象を与えられます。ポジティブなレビューを増やすためには、チェックアウト時に自然な形でレビュー投稿を促すのも効果的です。

OTAと自社サイト予約をどう使い分けるべきか

ホテル・旅館の経営において、OTAと自社サイトのどちらに重点を置くべきかは多くの経営者が悩む課題です。OTAは強力な集客力を持つ一方で手数料負担が重く、自社サイトは利益率は高いものの集客力に限界があります。

成功する宿泊施設は、この2つのチャネルを競合関係ではなく、相互補完的な関係として捉えています。新規顧客の獲得から既存顧客の囲い込み、短期的な売上確保から長期的な収益性向上まで、それぞれの特性を活かした戦略的な使い分けが重要です。

バランスの取れたチャネル戦略の重要性

効果的なホテル運営には、OTAと自社サイトの両輪を活用したチャネル戦略が不可欠です。一般的には「OTA経由50〜60%、自社直接予約40〜50%」が理想的な配分といわれますが、これはあくまで目安に過ぎません。都市型ホテルかリゾート型か、ビジネス利用か観光利用か、といった施設の特性やターゲット顧客層、さらには立地条件によって最適な比率は異なります。重要なのは、自社の強みと顧客行動を分析し、最適なミックスを設計することです。

新規顧客獲得にはOTAを活用

特に認知度の低い施設や新規オープンのホテルにとって、まず必要なのは「存在を知ってもらうこと」です。OTAにはすでに莫大な会員基盤と集客力があり、露出するだけで新しい顧客層にアプローチできます。

この段階では、手数料を単なるコストではなく「新規顧客獲得のための投資」と位置付ける視点が重要です。OTAを通じて獲得した最初の宿泊体験を、自社のリピーター戦略につなげるための布石と考えましょう。

リピーター化には自社サイトに誘導

一度宿泊した顧客は、OTA経由に依存せず、自社サイトから直接予約してもらうことが理想です。会員限定料金、ポイント制度、ルームアップグレード特典、館内利用券など、自社予約ならではの「明確なメリット」を打ち出すことで、顧客が自然に公式サイトを選ぶようになります。

さらに、チェックアウト時に次回利用を促す「リピーター向け案内」を渡すなど、オフラインでの働きかけも効果的です。

OTA依存からの脱却戦略

OTAは強力な集客チャネルですが、過度に依存すると手数料負担が膨らみ収益性を損ないます。そのため段階的な脱却が求められます。

・第1段階:ベストレート保証の徹底

公式サイトで常に最安値を提示しつつ、同一料金でも朝食無料やレイトチェックアウトなどの付加価値を提供し、差別化を図っていきます。

・第2段階:直接予約限定プランの開発

OTAでは販売しないプランを公式サイトで展開することで、直接予約の優位性を強調します。地域体験付きプランや記念日特別プランなど、独自色のある商品が効果的です。

・第3段階:CRM活用による関係強化

顧客データベースを構築し、メール配信やSNSを通じて誕生日特典、リピーター割引、季節の案内などを提供することで、顧客ロイヤルティを高めることが重要です。

ホテルがOTAを上手に活用するためのポイント

OTAを効果的に活用するには、まずレベニューマネジメントの徹底が欠かせません。需要予測や競合分析、過去実績を踏まえ、動的に価格を設定することで収益最大化を図れます。繁忙期には料金を上げ、閑散期には割引や体験付きプランを用意するなど、柔軟な対応が重要です。

また、競合との差別化も大きなポイントです。OTAでは施設が横並びで表示されるため、単純な価格競争に巻き込まれがちです。部屋タイプの工夫や地域体験型プランなど、独自の魅力を打ち出すことで価格以外の軸で選ばれる施設になれます。

在庫管理の最適化も重要なポイントです。チャネルマネージャーを活用すれば、複数OTAや自社サイトの在庫を一元管理でき、オーバーブッキング防止や効率的な在庫配分が可能です。各OTAの特徴を踏まえ、直前予約が多いチャネルには在庫を残すなど、動的な調整が効果を高めます。

さらに、写真やコンテンツの充実は予約率を大きく左右します。高品質な写真やストーリー性のある紹介文を用意し、滞在体験を想像させる工夫を行いましょう。

最後に、レビュー対応の戦略化です。肯定的な声には感謝を、否定的な声には誠実な改善姿勢を示すことで、信頼性と将来の予約獲得につながります。

まとめ

OTAは現代のホテル・旅館業界において欠かせない集客チャネルとなっています。日本旅館協会の統計でも示されているように、OTA経由率は44.9%に達し、今後もその重要性は高まることが予想されます。

効果的なOTA活用には、メリットを最大化しながらデメリットを最小限に抑える戦略的アプローチが重要です。手数料負担、価格競争、顧客関係の制限といった課題を理解し、自社サイトとのバランスを取りながら、長期的な収益性向上を目指すことが成功の鍵となります。

ただし、社内でこうした人的リソースがないことや、ノウハウがないため難しいということも考えられます。そのような場合は、ホテル向けマーケティング支援やレベニューマネジメントを専門とするプロフェッショナルに相談することも選択肢の一つです。専門家の知識と経験を活用することで、より効率的で効果的なOTA戦略を構築できるでしょう。

自社に合ったOTA戦略を見つけ、持続可能な成長を実現していきましょう。

おすすめのホテル・旅館コンサルティング会社比較表

イメージ
引用元:https://cnctor.jp/hotellab/

引用元:https://www.nbsm.jp/

引用元:https://www.yadoken.net/

引用元:https://prime-concept.co.jp/

引用元:https://yado-riki.com/
会社名株式会社コネクター・ジャパン(ホテルラボ)NBSホテルマネジメント株式会社株式会社宿研株式会社プライムコンセプト株式会社宿力
プラン・サービスライトプラン(WEB作業代行)/スタンダードプラン(マーケティング支援)/プロプラン(運営支援)/オペレーションプラン(運営受託)/レセプション(電話代行・メッセージ返信代行)/WEBサポート(HP制作・保守管理) などWEB集客サポートコース/コンサルティングコース/ANDPLUSコース/サイトコントローラーの入れ替え/RM(レベニューマネジメント)スタッフの育成 などWEB集客コンサルティング/写真・動画撮影/WEBページ制作/宿研サイトコントローラー/宿研ホームページ予約ASP などWEB集客サポート/経営・運営・WEBコンサルティング/Instagram運用代行/接客トレーニング/ホテル旅館求人サポート/ブランディングサービス/インバウンド対策/地域ブランディング・DX などホームページリニューアルの提案、構築/施設紹介ページ、楽天カスタマイズページの作成/写真撮影のコーディネート (プロカメラマン手配含む) など
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